2020年7月30日、山下達郎さんの配信ライブを鑑賞した。
山下達郎といえば、配信はおろか映像作品を世に出さないというこだわりのある人だ。音にこだわり、ライブにこわだる人。今回の配信ライブにはアーカイブもない。この時間に参加してくださいということだ。
金額は4,500円。過去の映像を使用しての配信には高いのでは?という声もあったけれど、実際に観た感想としては決して高くはない。家族で観たのだしむしろ安いと思う。
山下達郎さんのライブは意外とロックだった
夫が好きで行きたいというので、10年以上前に一緒に山下達郎さんのライブに行った。
山下達郎さんはもちろん知っているしラジオも聴いたことある。だけど私はそれほどファンというわけでもなくアルバムなどを聴いたこともない。そんな私でも、演奏されたほとんどの曲が知っている曲でびっくりしたのを覚えている。
ツアーのコンセプトだったのかシングル曲が多めだったとはいえ、ほとんどの曲がドラマや映画やCMなどに使われていて、当たり前のようにヒットしているので耳に残っているのだ。
バンドの皆さんの演奏やコーラスも素晴らしく、達郎さん本人の歌声やギターも素晴らしくて、本当に最高のライブだった。私の中で山下達郎さんと言えば爽やかな楽曲のイメージだったが、アカペラの迫力が素晴らしく、また意外にロックだったんだということも初めて知った。素晴らしいボーカリストであり、それ以上にギタリストでもあるということも。
それ以来10年以上ツアーに参加している。もちろん夫についていくという形だけど喜んで。
(写真は2015~2016年のツアーポスター。40周年の記念ツアーでした。)
そんな山下達郎さんは、2020年はホールツアーではなくアコースティックライブを各地で行うはずだった。しかし昨今の騒ぎでそれも中止に。
そしてまさかの配信ライブである。
生配信ではなく過去のライブ映像で本人がチェックしマスタリングした音源とのこと。
とはいえ、音にこだわりライブであることにこだわる人が、ライブ映像は販売していない人が、過去の映像とはいえ配信を行うとは思ってもいなかったので正直驚いた。当日は何があってもアーカイブは無しというのは、さすが達郎さんらしい。
『TATSURO YAMASHITA SUPER STREAMING』
(ライブ中の録画録音はもちろん撮影なども禁止とのことで、写真は終了後の画面を記念に)
そんなこんなで、当日はパソコンをテレビに繋げて家族で楽しんだ。
パソコンとテレビをHDMIケーブルで繋げば簡単にテレビがモニターになる。事前のチェックではなぜか音がでなかったので、比較的新しい私のパソコンを繋いでみたらあっさり音も出てひと安心。なぜ夫のパソコンでは音が出なかったのかはまた後で考えることにする。
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今回の配信ライブは、高音質動画配信サービスの「MUSIC/SLASH」のこけら落とし配信とのこと。
前半は、2018年に行われた京都のライブハウス「拾得(じっとく)」での3人編成のアコースティックライブ。そして後半は2017年開催の気志團万博(千葉県の袖ヶ浦浜公園)でのバンド編成でのライブ映像。
始まって驚いたのは、とにかく音が良くて素晴らしいこと!
「拾得(じっとく)」でのアコースティックライブも3人とは思えない重厚感。この年の広島クラブクワトロに行ったんだった。当日はあのスペースですごい迫力だったのが思い出される。本当にこれ、家で見てるなんてびっくりだ。
気志團万博は台風が近づく時期だったらしく、雨の降る中でのパフォーマンス。名刺代わりの1曲目はまさかの「ハイティーン・ブギ」。そうそう、この頃からホールツアーでもよく演奏されてて大盛り上がりの一曲でもある。いつもの10名のバンド編成だが、思っていた以上に迫力がすごい!
「硝子の少年」に娘が反応したからこの人が作った曲だと教えたらびっくりしてた(笑)。途中からコーラスに竹内まりやさんがしれっと入ってきたりしてなんて贅沢な!気志團の綾小路翔さんによる紹介VTRも入ってて、ご本人も配信見ながらツイートされてて和む。
号泣…。#山下達郎 #拾得 #TATSUROYAMASHITASUPERSTREAMING #氣志團万博 #幸せにしかしねーから #300回ぐらい聴いてくれた
— 綾小路 翔 (@ShowAyanocozey) July 30, 2020
当初70分ほどの配信予定のはずが、気志團万博のライブ配信が終了したころにはすでに10~15分ほどオーバー。サービス満点だなと思っていたら、さらに事前アナウンスにはなかった1986年のライブ映像から2曲スペシャル映像が流れる?!
土岐さん(サックス)や青山さん(ドラム)などバックも豪華である。まさか配信ライブにアンコールがあるとは!
我が家は開始ギリギリに配信を繋げたので知らなかったが、実は配信ライブ開始1時間前から通常のライブのように呼び込みのBGMを流していらしたそう。もちろん山下達郎さんセレクト。
本当にもう、こだわりのかたまりの山下達郎さんらしい(←言い方💦)
今回のチケット代は4,500円(税込)。我が家は家族で観賞したこともあるが、ひとりで観賞したとしても決して高くないばかりか安いと感じた。エンディング映像まで完璧で、このままパッケージして販売してほしい。何度でも見たいと思うクオリティだった。
山下達郎が初ライブ映像配信“動く達郎”ファンに #山下達郎 https://t.co/9Ezpy0U8gX
— 日刊スポーツ (@nikkansports) July 30, 2020
大満足で終了した配信ライブ。
後半の映像ではツアーでも良く演奏される盛り上がる曲ばかりが続き、とにかく楽しかった。楽しかったのは当然だけれどライブに行きたくて仕方なくなってしまった。
山下達郎、こだわり抜かれた“音”の初ライブ映像配信 ファンも驚嘆「オンラインとは思えない臨場感」(写真 全4枚)https://t.co/tBz6JfqKXb
#山下達郎 #ライブレポ #こけら落とし配信 #SUPERSTREAMING
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) July 30, 2020
とりあえずアルバム聴いて落ち着こう。このベストアルバムおすすめ。知ってる曲やライブでおなじみの曲がいっぱい入ってる。BGMとしても最&高✨
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配信ライブは楽しいけど
配信ライブは楽しい。
他の人のライブも家で見られるのならいろいろと見てみたい。地方へはなかなかやってこない人たちのライブも配信なら家で見ることができる。仕事柄なかなかライブに行けない人もタイミングが合えば家で観賞することができる。
今回はアーカイブがなかったが、アーカイブがあるなら後から見ることだってできる。そういう意味でも、配信ライブはこれからの時代に即したものだと思う。
でもやっぱり、どこかさみしいのも事実。
実際に会場でのライブもやっぱり見たい。友人たちと待ち合わせて一緒にお茶しながらバカな話をして、ライブ前なのにぐったり疲れるほど笑いたい。
配信ライブと通常の会場でのライブ、どちらもそれぞれに良いところがある。配信も楽しいけど、やっぱりあの場所に戻りたい…。