学校での読み聞かせに、教科書に載っている絵本を選ぶことが良くあります。
低学年で習ったはずの絵本ですが、高学年になると案外ふわっとしか覚えていない子も多いようです。読み進めるにつれて、「そうだったそんなストーリーだった!」と思い出すのかザワザワしはじめることもしばしば。
懐かしいと思うようでしっかり聞いてくれることも多く、読み手もちょっと楽しいですよ。
今回は、読み聞かせにもおすすめの教科書に掲載されている絵本を紹介します。
だってだってのおばあさん
98歳のおばあさんとねこのお話。猫が釣りに出かける時にいつも一緒に行こうと誘うのですが、おばあさんは「だってわたしは98歳のおばあさんだもの」と言って外へ行こうとはしません。
ある日のおばあさんのお誕生日。おいしいケーキを焼いて待っていると、99本のロウソクを買いに行った猫が泣きながら帰ってきます。帰り道にロウソクを落としてしまい5本だけになってしまったのです。おばあさんは「5本でもないよりましよ」とケーキに立て、ロウソクを数えて「5歳のお誕生日おめでとう」とお祝いをしました。
1年生の国語の教科書『光村図書こくご』に掲載されています。
98歳だから外へ遊びに行かない、98歳だから飛び越えない。
そう言っていたおばあさんが、5本のロウソクで「5歳のお誕生日」を祝ったことで、「5歳だから行ってみよう」「5歳だからやってみよう」と、いろいろなことに挑戦するストーリー。
1年生の教科書ということで懐かしい気持ちになるようで、高学年で読み聞かせた時に笑い声が上がったりと、普段の読み聞かせよりも反応が戻ってくることが多かったです。
題名以外はほとんど覚えていない子も多く、それでも教科書に載っていたと説明したことで興味を持ってくれました。そして、みんなしっかりじっくりと聞いてくれました。
もちろん子ども達は、本当は99歳なのに川を飛び越えたり魚釣りをしたりして走り回るおばあさんが、単純に面白いのでしょうね。見開きで大きくおばあさんが飛んでいる挿絵があって、笑ったりなどの反応が一番大きかったのが川を飛び越えたところでした。
でもこのお話、年齢を理由にするなんてナンセンスって言われているようで、大人の心には少々グサリと刺さるかも。
高学年の読み聞かせにはもちろん、実は大人にも読んでほしい一冊です。
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スイミー
小さな魚の兄弟たち。赤い魚の兄弟たちの中で一匹だけ黒い魚、それがスイミー。あるとき大きな魚に赤い兄弟たちがみんな食べられてしまい、スイミーは一人ぼっちになってしまう。
怖くてさみしかったけれど、スイミーはひとりぼっちで暗い海の底を泳ぎます。そして虹色のゼリーのようなくらげやブルドーザーのような伊勢えびなど、いろいろなものに出会うことで成長し元気を取り戻していきます。
ある日、兄弟たちにそっくりな赤い魚が岩陰にかくれているのを見つけたスイミーは、外にでて遊ぼうと誘いましたが「大きな魚に食べられてしまう」と出てきません。スイミーはうんと考えます…。
2年生の国語の教科書『光村図書こくご』に掲載されています。
言わずと知れた名作「スイミー」です。
仲間がどうのとか広い世界で頑張る姿とか、いろいろなメッセージが伝わってくるストーリーではありますが、それはちょっと横に置いておいて…
とても美しく幻想的な挿絵がこの絵本の大きな魅力です。
水彩のふわりとした柔らかさで表現された深い海の底の挿絵、実はページごとに違う技法で描かれていたりと、すごく細かい表現をされているのです。挿絵を眺めるだけでも楽しいし、飾っても素敵な絵本。
教科書には載っていない挿絵や実は向きが逆になっている挿絵などもあるので、ぜひ絵本であらためて読んでほしい一冊です。
わたしの一番好きな絵本は「スイミー」なんです。
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くじらぐもからチックタックまで
懐かしい「くじらぐも」から「チックタック」まで
教科書オリジナルの名作が掲載されたベスト作品集!
夢のあるストーリーで好きだった「くじらぐも」の絵本を探していたのですが、これって教科書オリジナルの書き下ろし作品だったのですね。
知らなかったー!そりゃ見つからないわけだ💦
昭和40年から平成16年までの教科書に掲載された作品の中から20作品が掲載されているので、大人も懐かしい作品が入っているかも?
ぜひ子ども達と一緒に読んでみてください(^_^)
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まとめ
違う出版社の教科書だと載っていない場合もあります。
言葉や言い回しが少し変えてあったり教科書には載っていない挿絵もあったりと、絵本で読むと教科書とはまた違った発見があります。教科書と並べて違いを比べてみても面白いかもしれませんね。